あいざわアセットマネジメント株式会社役職員ブログ

「隅田川の花火大会」と掛けまして、「投資の再現性」と解きます。その心は。。。

私の住む浅草では折からの台風12号の接近のため、隅田川花火大会が21年ぶりの日曜日の開催となりました。公式発表では87万人を超える人たちが平成最後の夏の風物詩を見上げていた、そうなのです。
 

みやた家の今年の花火大会は

今年はこの花火をたくさん見ましたね。

さて私は、といえば、白木をはじめとする当社のスタッフと家族が我が家のあるアパートから花火を見に来るということで週末はずっと汗をかきながら家の片づけをし、料理と(当然)お酒を準備して、一年で一番家の中がきれいになったところでそのご褒美のようにお客様をお迎えして花火を見たのですが、単純にきれいだなぁ、と見れば良いのに、打ち上げ用の艀(はしけ)から聞こえる音にちょっと遅れてテレビ画面で花火が打ちあがるなぁ(これはテレビカメラで捉えた映像がテレビ局を通って目の前にみえる東京スカイツリー経由でテレビ配信されているから、遅れて当然なのですが、って、実物を見られるのにテレビ中継も見ているのもなんなのですが。。。)とか、今年は発射音の響きもリズムがいいなぁ(確かにテンポのいい低重音でした。)、とか、今年も南風のお陰で火の粉も煙も上流に流れてくれて見やすくてよかったなぁ(ということで、浅草の北側で見ていた人たちは煙で微妙に見えなかったでしょうし、ご近所のビルやマンションも火の粉をたっぷりかぶっている風景が見えてどきどきしました(汗))なんて、20年もほぼ毎年見ていると見るところがどうも違うようでした。

でも、やっぱり東京スカイツリーのライトアップをバックにした第二会場のラスト5分は毎年通りの、これでもか、と一気に畳み掛けるような2000発が圧巻でした。そりゃあ、隅田川花火大会の総打ち上げ数である2万発の10%に相当する量を、1秒間に6.6発平均で打ち上げれば、圧巻以外の言葉はないですよね。
 

数年遅れ?でも枯れた技術

ところで、ご存知でしたでしょうか。隅田川の花火大会は第一会場ではコンテスト、第二会場では特にそういうことなく打ち上げられているので打ち上げの構成が異なるということを。第一会場はコンテストですので最新技術のショーケースのように今まで目に触れられたことのないような花火がひっきりなしに打ちあがるのですが、第二会場はコンテストではないので、花火師のセンスと趣味と想像力とが存分に発揮される(第一会場より上がる数も多い!)ので、我が家の目の前で見られることもあり、第二会場が好きで見ています。
そんな第二会場に去年までは上がらなかったと思われるハートを夜空に描く花火が多用されたのです。今年のコンテストでも蛙を描いた花火がうちあげられたように、最近は夜空に様々な図柄が描くことができるようになってきたようなのですが、今年はハートが安定して描かれるようになったのです。花火は打ちあがって初めて準備した結果がわかる、といわれていますが、やはり何シーズンも打ち上げられると技術も安定してくるのですね(ちなみに、安定した技術、ということを枯れ木が常にその姿を変えないことから転じて枯れた技術とIT業界では呼ぶそうです。)。
 

いつものように無理やり投資の世界へ投資での枯れた技術って?

投資の世界において、運用者に求められるもの、というのは確かにリターンではあるのですが、そのリターンがどの投資環境においても生み出せる再現性の高さ、というのを実は求められているのではないでしょうか。システムトレードからリサーチによる運用まで、花火師がこう打ちあがって花開くだろうと予想して火薬を花火玉に詰めるように、投資市場環境や投資先の個別企業やセクターレベルのビジネス展開などに前提と予想を置いてポジションを組んでいる(ので、負けたとき、市場環境が想定と異なるから、という説明というか言い訳をよく聞くことになる)のですし、いわゆる AI 運用であっても、過去の市場での値動きや過去のとあるデータとの相関性の高さといった、過去において確からしさの高かった何かが理由で銘柄が選ばれて投資されるのです。また、そういう前提と結果、そしてその検証、という投資プロセスを持っていない運用者は自分の投資戦略の何が強みで勝てたのか(もしくは何が悪くて負けたのか)の説明がつかないですし、それはもしかすると運に頼っているので再現性の高さは統計上の結果からのみ判断する他になくなってしまうのです。
いずれにせよ、花火を打ち上げる環境以上に、投資環境は大きく変わりえることから、残念ながら今のところ、オールウェザー(全天候型:市場環境がいかなるとき)でも必ず勝てるという技術は誰も見つけていないようです。そうなると、私たちが出来ること、というのは全てに備えるべく複数の市場環境のシナリオを前提にしてそれぞれに対応できる運用者を起用して分散させるのか、常に勝とうとリスクを取るべく、その時々に予想される市場環境の変化に備えて、その変化に弱い運用者から強い運用者に投資を乗り換える、というポートフォリオの入れ替えを常に行っていくことか、大きく分けるとこの二通りになります。いずれにせよ、そのような運用者の目利きという専門性を弊社のようなゲートキーパーが今後の難しい投資環境下においてより必要とされていくのだと考えております。
 

おわりにあまり知られていない花火大会の後のこと

さて、花火大会が終わると、結構浅草の町は大変なことになっています。ごみの持ち帰りのご協力はしていただいているかもしれませんが、それでもあちこちにごみは見られますし、それ以上に破裂した花火玉の燃えカスが発射台の周辺に落ちています。そして、花火大会という言い訳で飲み会をしていた我が家も、翌朝は前の晩の残りを食べつつ、空き缶空き瓶などをアパートのごみ置き場に持っていこうとすると。。。同じようにお客さんがたくさん来た、アパートの他の家庭から出てきたあふれんばかりのゴミの山。そして、そんなアパートやマンションは浅草の町のいたるところに。。。本当に毎年管理人の方とゴミ回収の人たちには申し訳ないなぁ、と思っています。
そして、町のあちこちに立ったバリケードも撤去されて8月のサンバカーニバルにモードが切り替わるのですが、これはまたその頃にでも。
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