MBAを含む修士課程を持つ学校は、様々な機関に様々な形でランキング付けされていますが、LBSは欧州のみならず米国を含めたランキングでも常に上位に位置づけられるようになりました。しかし、その割には一般的な知名度があまり高くないのも事実です。これは、いわゆる学士課程を持っていない、したがって学部生がいないので生徒数が限られる学校としては仕方ないとも思われるのですが、優秀な生徒、教授陣、スタッフを惹きつけ、より質の高い学校を目指す学校経営者としては重要な目標だと思われます。企業経営においてもブランドの重要性はますます認識されていますが、競争の激しいビジネス・スクールにおいても、様々な形でのブランド戦略が展開されています。ロンドンという、欧州において唯一無二の金融市場を擁する大都市のブランドを名前に冠しつつ、さらに様々な形で社会に必要とされる存在を目指して、卒業生が学校の担当者とコミュニケーションをとりながらどのように貢献できるのかを考えるよい機会でした。
卒業生同士のネットワークについて、私の卒業時から使われていた古いタイプのポータル・サイトが陳腐化してきたこともあり、最近新しいシステムが導入されました。使ってみると、各年代の卒業生やクラス別の卒業生の検索が容易であり、どこで、誰が、何をしているかを(本人が登録している限り)簡単に調べることができます。海外出張時にちょっと会いたい時や仕事上で専門家に訊いて調べたいことができたとき等、このシステムを使えばすぐに連絡をとることができそうです。私の場合、同校の金融修士(Masters in Finance)のクラスだったのですが、当時、生徒は25カ国以上から参加していたので、帰国した同級生の多くが世界各地で金融関連の業務に携わっています。さらに、世代の壁を超えて、例えば、いまの学生が私たち卒業生にコンタクトを取ってくるケースもありますが、このシステムを使えばより効率的な接触が期待できます。
ロンドンは土地柄もあり、欧州のみならずアジアや北米、南米、中東、アフリカから多くの人々を惹きつけます。その豊かな国際色に加えて近年では女性の活躍も増しています。今回、ディーンも女性のますますの社会での活躍をどのようにサポートするかについて考えているとのことでした。日本の企業からの支援を受けて留学する学生もいますが、これまで男性に偏りがあるように感じています。今回、ディーンがスポンサー企業と話すときに、その点での分散についても働きかけてみたいとコメントしていました。
卒業から時間が経ちましたが、LBSの教授陣やスタッフの中には私の留学当時にいらした方が何人か残っています。ちょうどこのコラムの執筆をしている日に、引退を控えた当時の事務局の担当者が来年の入学者や受験希望者向け説明会のため来日しており、夕方のイベントを手伝いがてら、彼とも一杯ご一緒する予定にしています。15年ぶりの再会を楽しみにしています。