第388回 < 実業団について >

これまで、実業団という言葉を目にする機会はありましたが、定義や実態を知る機会はありませんでした。もっとも、毎年なんとなくテレビで目にする正月恒例のニューイヤー駅伝の正式名称が、全日本「実業団」対抗駅伝競走大会ということから、企業単位のスポーツ団体なのだろうという認識はありました。

あらためて、ウィキペディアで「実業団」を調べてみると、「企業や組合の従業員で構成されるスポーツチームで、学校のクラブ活動とともに昭和期の日本のアマチュアスポーツをけん引したチーム形態」とあります。例えば、イギリスでは、労働者達が所属する会社や工場が母体となったサッカーチームが、アメリカでは19世紀末から社会人野球リーグが、日本では20世紀初頭に企業のアイスホッケー部が創設された歴史があるようです。

日本では、戦後復興期に企業によるスポーツ施設の整備費等が福利厚生の一環として法人税の控除対象となったことや、企業側がスポーツ振興を企業宣伝や人材育成に有用と考えたことで資金が投入され、企業単位の実業団が創設され、練習環境が充実していくことに伴い、多くのスポーツ人材が集まるようになったようです。高度成長期以降、従業員の士気高揚、人材育成、企業の宣伝の観点から実業団を所有する企業が増えたと思われます。

今日、プロスポーツが発達し、戦後復興期の日本のスポーツ発展を支えた存在としての実業団の意味合いはかつてに比べて希薄になったかもしれません。しかし、どのような種目においてもプロとして活躍し、十分な収入を得られる選手は一握りであり、会社に所属して従業員として働きながら、様々な活躍の場としての実業団は、スポーツを愛する人々にとっては今でも有難い存在といえます。

また、学校のクラブ活動もプロを志す選手のためだけのものではないように、企業における実業団もリクリエーションの側面があるように思えます。あるいは、日頃から楽しんでいるスポーツを仲間と一緒に楽しむ、大学のサークルのような存在にも近いかもしれません。

前置きばかりが長くなりましたが、そのようなわけで、この度、私たちの会社内にテニス部を設立し、実業団の大会に参加できるように「東京都テニス協会」に加盟しました。この原稿を書いている前日の夜にテニス部としての最初の練習会を開催しました。あいざわアセットマネジメント、アイザワ証券グループのテニス部として、まずは、秋に開催される東京実業団対抗テニス大会秋季リーグへの参加を目指していきたいと思います。東京都実業団は2022年現在、男子は1部から10部、女子は1部から7部にわかれ、男子女子併せて全部で484チームにより構成されています。私たちは参加すればまずは最下部の10部の110の企業グループの中で試合を行うことになります。

今後、部員の募集を続け、テニス部としてのレベルアップを図り、まずは10部リーグからの勝ち上がりを楽しみながら目指したいと思います。ご興味のある方はぜひ練習に参加してみてください!