第395回 < 萩往還道ふたたび >
先日、山口県で開催される萩往還道を走るトレイルラン「第2回やまぐち萩往還マラニック&ウォーク」の大会に参加しました。第2回というと新しい大会に見えますが、実は、同様の大会は2018年の第30回まで開催されていました。しかし、当時、主催者メンバー高齢化や大会運営面での安全確保が難しくなったという理由で参加者、関係者に惜しまれつつ幕を閉じていました。それが、昨年から主催者・事務局を「山口観光コンベンション協会」として、形を変えて復活していました。2018年までは、250㎞、140㎞、70㎞の3つの部門で5月の連休中に2日がかりで行われる大会でしたが、今回は、100㎞と66㎞、それに加えて33㎞のウォーキングの3部門となり、7月の海の日の3連休中に1日で終わる大会設定となっています。
筆者は5年前の2017年大会に参加していましたが、今回、当時一緒に参加した友人に誘われ、再度参加することになりました。前回は、室町中期のすぐれた建築物として国宝指定されている瑠璃光寺がスタート・ゴール地点でしたが、今回大会では山口市内の湯田温泉となっており、100㎞部門、66㎞部門のスタートがそれぞれ午前3時半、4時半であることを考えると、参加者に配慮した場所設定となっていました。湯田温泉から瑠璃光寺付近までの5㎞、往復で10㎞の距離を多く走る分、往還道を超えた後の萩市内での走行距離は短くなっていましたが、往還道の旧道のコースは以前とほとんど変わらない設定となっていました。
そんなわけで、走るコース自体は大きく変わっていなかったのですが、むしろこの5年間での自分自身の変化の大きさに気付かされることになりました。早朝のテニスを継続することで多少は鍛えた気になっていましたが、この数年、肝心のランニングの練習を怠っていたツケで、往還道を超えて萩市内の折り返し地点に着く頃には、早くも走ることすら難しい状況に陥っていました。それでも何とか足を前に動かし、54㎞地点のエイド・ステーションで少し回復した後、運よく合流した知人と二人で励ましあいながら約12時間かけてようやくゴールすることができました。5年前、この大会で70㎞を約10時間で走った時とは比較にもならないタイムでしたが、無事ゴールすることができてホッとしました。
往還道を通るルートは、美しい山並み、森林、田園風景を楽しめる素晴らしいコースで、今回は運よく天候にも恵まれて楽しく走ることが出来ました。また、今回のエイド・ステーションを含めた運営、スタッフの皆様のホスピタリティが素晴らしかったことに加え、コース案内や交通整理を含めた運営方法が最小限の規模で最大限の効果を発揮しているように感じました。ほかの参加者に聞いても同様な感想を持っていたようで、大会企画・運営チームの質の高さを感じられる内容でした。真夏の過酷な環境の中、労を惜しまずサポートしてくださった皆様には心から感謝しています。
完走後、一息ついて一緒に参加した友人たちと慰労会を兼ねた夕食を取りながら、自然と来年の話になりました。もう一度このレースに参加するかどうか、動かない足と疲れ切った体をさすりながら、もう二度とゴメンだ、と思う自分がいる一方、少しでもタイムを改善し、またこの仲間で楽しく走り、飲みたいという気持ちもあります。7年ほど前に初めて富士五湖を走るウルトラマラソンに参加して以来、偶に参加している過酷な山間部を長距離走る大会ですが、自分自身を追い込むことで感じることもこともあり、きっとまた走ることになると思います。