リモートワークが推奨される昨今と掛けて、IoT と解く。そのこころは。。。
私の住む浅草は、言わずと知れた日本有数の観光地。日々、国内と言わず世界中からのお客様を迎えては、東京に今も残る昔ながらの情緒や昔から今に残る食文化、今どきの宿泊体験まで、日本の今を伝え、発信する街なのですが、大事なのは人様に足を運んでもらえないと体験してもらえない、というところでして、今どきの流行り病からユーチューバーとかいう体験してみた、なんて動画を見せて疑似体験でした気にさせちゃうようなものまで、21世紀の観光地という商売はなかなか大変なのです。
とはいえ、今年のオリンピック、パラリンピックの誘致に関連した東京の一時的な過密化とそれに対する交通機関等の社会インフラを考えた在京企業を中心としたリモートワークの推進が、まさかそんな大型イベントの開催にすら影響する流行り病で一気に後押しされるなんて皮肉な側面がある一方で、リモートワークのような働き方を出来るインフラが既に整っていたけど使っていなかった、というところにこの国に地力はあるけど、普段は(以下省略)と思わざるを得ません。
あけぼの投資顧問的なリモートワーク、やってみた
さて、じゃあかく言う自分はどうなの?と問われる(はず、というか聞いて!よろこんで答える)のでちょっとそこのところを。ちょうどこの記事を掲載したことになっている日の翌週(!)のある日、半日ほどリモートワークというのを宣言してやってみました。あ、念の為申し添えますが、宣言しないで平日の夜中から休日、クリスマスイブ直前の徹夜案件など、リモートワークがどうの、という以前から当社の投資案件の契約書関係からストラクチャリングのための提案資料、日々のファンドの運営業務、果てはアスクルへのオフィス内の消耗品の発注まで、長年愛用しているMacbook Air で自宅からベトナムやインドといった出張先まで世界どこでもやっています。その意味で言えば、普段との違いは
リモートワークしまーす
と、宣言するかしないかの違いだけ、なんですけどね(いや、平日の昼間にオフィスにいない、という意味はある。。。のか?)。
リモートワークの結果は。。。分析してみた(笑)
で、実際にすると何が起きたか、というと、当社執務室は静かで快適な労務環境になりましたとさ。オフィスにいくと「オフィスってこんなに静かなところなんですね」ですって。おしまい。
ほんと、会社行くのに心が挫けそうな結果ではあるものの、働き方のスタイルが如実に現れるところだなぁ、と思いました。ひとり黙々とデータと格闘する人が集まると話しかけられても話しかけられなくともずっと静かにデータに打ち込めるし、私のように自分のアイデアに対して返事でなくても何かしらの反応を見て(それがその日のお昼ご飯にいくお店のアイデアであっても)アイデアを膨らませながら仕事をするタイプだと隣に話しかけられることできる誰かが(専門家でなくても)いることが大事なのです。
と書いていると、あたかも私がひとりごとが多くて、オフィスの誰かれ話しかけてうるさいやつ、と思われそうですが。。。まさにそうです(笑)ですので、多分リモートワーク向きではないのかもしれません(爆笑)その意味では私がオフィスにいながら当社の残り全員がリモートワークして全員が Zoom あたりで就業時間中つなぎっぱなしで、私ひとりで喋りまくってみんな音量をゼロにしている。。。考えるだけで寂しくなってきた(苦笑)
リモートワークと逆行するオフィス環境の改善、IoTでやってみた
そういうわけではなかったのですが、新事務所に移ったのだから、ということでオフィス内環境をよりよくしようといういろいろな試みをしています。オフィスに据え付けられているボタン操作だけのエアコンにボタンを押すだけのボットを両面テープでくっつけてスイッチが入れられるようにし、また、WiFi に接続可能な加湿器と室内の温湿度を測れるセンサーを導入し、社長宅で誰も使わなくなったスマートスピーカーと連動させることで、朝の出勤前にエアコンと加湿器が起動して今ならオフィスを暖めておきながら加湿して、退社時に「帰りますね」と言えばエアコンも加湿器もスイッチが切れるようにしました。また、業務時間中に必要以上に湿気が上がれば加湿器は自動的に止まるようにし、また室内が乾燥したら加湿器が動くようにもしたり、と不必要に加湿器が動かないような設定もしました。
IoTを効果的に使うには、ノーコード、って知ってます?
これは、IFTTTや Zapier のような複数のウェブサービスを連携させるプラットフォームを利用することで、IoTのサーバーやスマートスピーカー、果ては Line やSlack などのコミュニケーションツールまで、いろいろなものを連動させることで定型化された一連のタスクの自動化を実現できるのです。最近は、このようなものを含めた、プログラミング言語を使わずにサービスを提供する「ノーコード」が増えてきた、と言われています。実際、Microsoft Office 365 には Power Automate という Office 365の様々なアプリ(Outlookのメールやスケジュール、OneDrive や Sharepoint のようなクラウドストレージ、Word や Excel online のような物まで操作可能で、例えばもし「Office 365 のメールに添付ファイルがついて届いた」ら、「添付ファイルを OneDrive のDownload フォルダーに自動的にセーブする」ようにする)や外部のウェブサービス(Dropbox や Box のようなクラウドストレージ、WordPress のようなブログサイト用のCMS など)を連携させるツールを提供していますし、Apple も今年に同様のサービスを(Claris という Mac ユーザーなら泣きたくなるほど懐かしい名前で)提供する、と言われています。
ノーコードだけじゃなく、ローコードも
この分野であれば Google も Google Apps Script という形で Gmail と Google Drive などを連携させる、こちらは「ローコード」環境を提供しています。こちらは、Cのような構造化プログラミング言語をベースにしつつも簡略化されたスクリプトを「書く」ので、ノーコードより「しっかり」プログラミングをしている(例えば、もし「Gmail のメールボックスにレンタカー会社からの予約メールがきた」ら、「メールの本文の提携フォームから予約開始時間と終了時間、レンタカー会社の場所を抜き出し」て、「スケジュールを作成」する、というようなことをコーディングする)ので、個人的にはプログラミングを勉強したいという人にはわかりやすい成果がえられるのでお勧めかな、と思っています。
いわば、ノーコードであってもローコードであっても、○○するならばXXする、という意味では両者は同じで、それまではウェブサービスがネット上のデジタルデータでのインプットとアウトプットしか出来ていなかったのが、単純にスイッチを押すだけのスイッチボットや温湿度計のようなセンサー、果ては扉の鍵や防犯用のウェブカムなどの IoT によって実生活での業務プロセスの連動すらノーコードで実現可能になってきた、というわけです。おかげで当社の事務室は快適になったわけですが、快適で来たくなるオフィス環境を整える、というのはリモートワークと逆行しているのでは、とはた思ったり。
でも、そうか、やっぱり私は快適なオフィスに来るけど私以外がリモートワークして Zoom でみんなと(以下略)